2017年10月に第1回目の来日イベントを開催してからおよそ1年半。
再びフランスのジェモセラピー研究所から、代表のブノア社長と植物療法士のセリーヌさんを招いてのイベントを開催することができました。
2017年の開催では100名を超える参加者様をお招き致しましたが、今回はより密度の高い時間を過ごしていただこうと少人数制での実施を致しました。
ジェモセラピーは現在、フランスで450以上の店舗での取り扱いがあるほか、日本やベルギーなど世界各国に広まりを見せている注目の最新ハーブ療法です。
日本でも、ビープルバイコスメキッチンでの取り扱いが2019年よりスタートしております。
そんな注目のジェモセラピーとは、どういうものなのか?
本場フランスでの様子などくわしく伺いました。ぜひ当日の様子をこちらのイベントレポートで体験していただければと思います。
ジェモセラピーとは何か
GAJ日本ジェモセラピーカレッジの理事であり、植物療法士の盛山愛佳よりまずは「ジェモセラピーとは何か?」に関する簡単な講義から今回のイベントが始まりました。
日本国内ではまだ珍しい最新のハーブ療法ですが、ヨーロッパを中心に、世界ではすでに医師が処方したり、薬局で販売されたりしている実績のある製品です。
植物の成長のもとである「新芽」にふくまれる「植物幹細胞」の成分を、自然な状態で一滴一滴ていねいに抽出しているところに特徴があります。
そのあたりも後ほど、ブノア社長やセリーヌさんからお話がございますので、機会をそちらに譲りたいと思います。
ブノア社長登壇│ジェモセラピー開発秘話
エルビオリスブランドのジェモセラピーには欠かせない存在、ジェラール・デュセルフ博士による「ジェモセラピー開発秘話」からブノア社長のお話は始まりました。
このあたりは前回のイベントでもお伝えしておりますので、ぜひ興味のある方はご覧ください。
今回特に興味深かったのは、ジェモセラピーの製造過程における、一つひとつのていねいさです。ここからは、ブノア社長ご本人の言葉をそのまま綴りながら、イベントレポートを進めていきたいと思います。
自然と調和することからすべてが始まる
ブノア社長:
私たちの目的は、できるだけ高い効果があるものを皆さまに提供するということにあります。
そのための鍵となるのが、「自然に対して、私たち自身は、調和を取らなければならない」ということです。そうしなければ、ジェモセラピーに使うエッセンス(製品)は作れないということです。
ですので我々は、非常に細かいところにまで気を使って製品を作っております。
例えばですが、私たちはすべての材料、容器なども使い捨てのものではなく、ガラスやステンレスといった、使い捨てではないものだけを使っております。
また、私たちの植物の摘み方ですが、自然の中に入り、木の前へ行く際には、大きなガラスの瓶を持っていきます。
ブノア社長:
そして芽を摘み取ったあと、すぐにその場でアルコールへと漬け込みます。
芽を摘んでからすぐにアルコールへ漬け、成分を抽出することによって、その植物が持つエネルギーというのを効果的に閉じ込めることができるからです。
またそれだけではなく、芽の摘み取りをするときには毎回、必ず一連の儀式というものをおこないます。
ブノア社長:
まずは、泉の水で手を洗います。
そして摘み取りの器具を準備。それから目の前にある木に対して「芽を摘んでもいいですか?」と許可をいただきます。
そこから木と人間とのディスカッション、議論が始まり、最終的に「いいよ」と言われたら芽を摘み、それをアルコールに漬けこむ。このようにして液が出来上がります。
つまり、漬けこまれたガラス瓶の中に入っているものには、植物のエネルギー、植物の物理的な有効成分、そしてその植物を摘んだ人の、植物に対する愛情というものが詰まっている、ということになります。
ジェモセラピー製品の具体的な製造工程について
ブノア社長:
摘み取り自体は川のほとりであったり草原だったりという場所で行い、その後そのガラス瓶を持ち帰り、実際に研究所での本格的な製造へと入ります。
そこでも私たちが非常に大切にしている、自然に対するフィロソフィーというものに従って製造しています。
特に研究所で行われる私たちの製造活動によって、それが環境にどのような影響を与えるのかという部分を、私たち自身、常に非常に意識しながら作業をしております。
ブノア社長:
私たちの研究所で作る製品というのは、すべてが有機製品マークを取得しております。
フランスには様々な有機製品認証がありますが、私たちが取得している認証というのは、その中でもさらに基準が高いとされている『ナチュール エ プログレ』というものになります。
フランスでは50年以上前から存在する有機製品に対する認証なのですが、単に製品に対する基準だけでなく、社会的、環境的な面などもすべて考慮している製品にだけ認められている認証マークです。
ブノア社長:
『ナチュール エ プログレ』という認証をもらうことで、社会的に、仕事的に信頼を得られたというのはもちろんありますが、それ以上に私個人の信条としても嬉しく思っております。
なぜそこまで自然に対して思い入れがあるのかと言いますと、実は私の父親も祖父も農業をやっておりまして、小さな頃から植物や自然にかかわってきた、という経緯があります。
私が仕事でお金を得た経験は、15歳の時にフランスでボダイジュを摘み、それを「植物屋さん(漢方薬局のようなところ)」へ売りに行った、というのが最初です。
薬用植物の仕事をするには、やはり自分自身がそれを大好きでいるということがとても大切なことだと思っています。
ジェモセラピーを扱うための研修について
ブノア社長:
いまはこの製品を通して、フランス国内の多くの医療関係者、医師の方、それからセラピストの方、フィトセラピーと植物セラピーの方、自然療法士の方とつながりを持てております。
私たちの製品を使ってくださるセラピストの方たちへは、非常に厳しい研修を行っております。
エルビオリスブランドのジェモ製品には、本当にたくさんの種類がありますので、それぞれの製品ごとの特長をしっかりと覚えていただくようにしております。
お客様がその製品を選んで、効果がきちんと出るためにはセラピストの方が本当に的確な選択をするために研修を受けていただく必要があるからです。
フランスでは色々な形でジェモセラピー製品が売られていて、セラピストの方によってはお店を持っている方もいらっしゃいます。
あるいは、フランスでは薬局で販売するということも致します。有機製品の専門のショップで売られるということもありますね。すでにフランスでは、現在までに450以上の取り扱い店舗の拡大を展開しています。
ブノア社長:
ですので、フランスであれば国内のどこへ行っても、自分にぴったり合ったジェモセラピー製品を見つけることができます。
研修に関してはフランス全土は広いですので、8名の講師が担当して各地で教えています。製品の説明や、お店の販売員の方への教育というものを行っているわけです。
ですので、そういった8名の方がいてくださるおかげで、製品が作られる最初の段階から、できあがって今度は実際に薬局で売られ、そしてお客様に使われる最終段階までのすべてを、非常に高いクオリティを保って選んでいただけるような、そういった仕組みになっております。
参加者の方からの質疑と応答
質問者:
「ホメオパシーとジェモセラピーを、どのように使い分けると良いとお考えでしょうか?」
ブノア社長:
フィロソフィーとしては、ホメオパシーとジェモセラピーはとても近いものがあります。
ジェモセラピーでは植物の芽を使っています。その中に植物を成長させるための情報が入っていることから、生薬成分やエネルギー、さまざまな植物からのメッセージというものが詰まっています。
また、溶液を作る時にも水の質やアルコール純度の高いものを使っていますので、それによって有効成分あるいは植物のメッセージを最大限に取り込むことができ、それが身体の器官に作用されるようにできています。
最終工程ではダイナミゼーションという、人がかかわることで植物自体にエネルギーを送れるような、そういう作業工程があります。
ブノア社長:
ホメオパシーとジェモセラピーは一緒に補い合えるセラピーですので、同時に使うことができます。
個人的にはジェモセラピーの方が予防的で、一時的に補足する場合にはホメオパシーを使っています。ただしそれは私自身がジェモセラピーに慣れているので、ホメオパシーを普段から使っている人にすれば逆になるかもしれません。
ホメオパシーはジェモセラピーの効果をさらに強めてくれることができると思います。
しかしアロマテラピーなどでは逆に、組み合わせては良くないというものもあります。そう考えてみても、ホメオパシーとジェモエラピーは親和性が高いため、身体に悪影響が出るということはないといえます。
質問者:
「日本人の体質と海外の人の体質が違う中で、どのように日本人の体質を理解されていますか?」
ブノア社長:
日本人の体質、ヨーロッパ人の体質ということでは特にはないのですが、一般的に植物を使ってセラピーをするときには、自分が住んでいるところの周りにある木を使った方が良いという傾向があります。
そういう意味では、日本の木というのはフランスにある木と共通していますので、フランスで作られたジェモセラピー製品というものが日本人の方にも効果があるというのも納得できるなと思いました。
日本とのパートナーシップの中で、日本固有の植物を使ったジェモセラピー作りというのも始めています。私たちの製造プロトコル(手順・規約)というものをお伝えをして、日本の植物を使っての製品を出しております。
詳しいことはぜひ代表の盛山葉子さんに聞いてみてください。
植物の新芽を採る、摘み手についてのお話
ブノア社長:
摘み手の方たちというのは、これまで25年以上摘み取りをしてきた方たちです。
私たちのジェモセラピー製品では、摘み採られる芽のうちの7割が野生の植物です。そして残りの3割は、栽培をした木から採取しております。
植物が生えるというのは偶然ではありません。土壌や環境など、すべての条件が揃って初めてその場所にある植物が生えてきます。
そんな中で、摘み手の方たちというのは、非常に長い時間、それこそ25年以上ずっと自然の植物とコンタクトを取っている状態なんですね。
自分の庭にある植物とはコミュニケーションが取れるという方はいらっしゃると思うんですけれど、摘み取りの方たちというのは20~50km圏内ぐらいに渡っての、いくつかのゾーンを知り尽くしています。
ブノア社長:
そこに行けば何の木があって、いつその芽をもらえるかということをわかっている方たちです。非常に長い年月をかけて、広大な地域の植物と、常にコミュニケーションを取っている、通じ合えているという方たちになります。
植物とのコミュニケーションというと、一般的にはそんな話が本当にあるのかと思われるでしょう。
しかし最近の研究では、植物同士はコミュニケーションを取っているということが科学的に証明されておりまして、記憶が植物にもあるということもわかっております。
以前に比べると、かなりそのあたりのことも理解されるようになってきたと感じております。
植物も木と木同士でコミュニケーションを取っているわけですから、人間も準備さえできれば、ちゃんと植物ともコミュニケーションが取れるはずなんですね。
植物療法士、セリーヌさんの登場
セリーヌさんからは今回、フランスの季節にまつわる格言などを引用しながら、季節ごとの予防に関してのレクチャーが行われました。
「春が暖かいと虫が作物に付きやすく、春が寒いと収穫が遅くなる。春が乾燥していると夏に雨が多くなり困る。春が遅いと冬が早く来てしまう」
という、日本人としては馴染みのない格言が飛び出し、参加者一同、「ほ~ぉ……」と、微妙な反応を示しておりました(笑)
フランスでは6月21日から夏を迎えるらしいのですが、春の段階では冬の間に身体へためこんだ余分なものをデトックスする必要があるということで、「ローズマリー」のお話を中心にしてくださりました。
ローズマリーと聞くと、ハーブティーや料理に使われる香草をイメージさせる方も多いと思いますが、ジェモセラピーの場合は「新芽」を使ってエキスを抽出するため、それらで得られる効能とはまた違うのだという話がありました。
フランスでの植物療法士というお仕事の位置づけは、ほとんど「医師」のようなもの。
会場の雰囲気は学会での研究発表のような、そういった非常に学びと発見の多い空気に包まれます。
その後も、夏には身体の循環を良くし、秋には免疫機能を高め、冬には身体の器官を元気にする。そういったシーズンごとに身体のパフォーマンスを高めていくための植物とのかかわりかたを学びました。
植物を使っての、身体の根本改善。
最初はあまりピンとこなかった方も、だんだんとその意味が分かってきたのではないかと会場の様子をみていて感じました。
睡眠不足だとどうしても身体の機能もフルパフォーマンスを発揮できないのと同じように、私たちの身体というのは定期的にしっかりとメンテナンスをしていかないと、本来の力を発揮できていないのかもしれない。
そこに対してジェモセラピーは「根本改善」というアプローチをしていますので、サプリメントのように永続的に摂取し続けなければいけないものとは違い、しっかりと本来の自分に戻せば、ずっとハイパフォーマンスを発揮できる。
そんな印象を受けたセリーヌさんからのお話でした。
盛山葉子代表からのあいさつ
最後の締めくくりとして、GAJ日本ジェモセラピー協会代表の盛山葉子さんからのお話です。
20年以上ハーブ療法の業界に携わってきた中で、運命的に出会ったエルビオリスブランドのジェモセラピー。
これまでの歩みと、これからの展望などが語られました。
関連:盛山葉子代表インタビュー
現在ジェモセラピー協会では、ジェモセラピーを扱えるセラピストを養成するカレッジの開催も行っております。
ジェモエッセンスのインターネット販売も行っており、その中には日本の植物を使って作られた「和ジェモ」などの商品なども並んでおります。
引き続き、
エルビオリスブランドのジェモセラピーを、今後もどうぞよろしくお願い致します。