GAJ日本ジェモセラピー協会・品川校の代表をつとめる平柳伸児(のぼる)先生は、30年以上もの間、整体や鍼灸師としての活動をしてきたといいます。
一方、奥さまのむつみさんも整体師として、ホメオパスとして、そしてジェモセラピストとして先生と共に患者さんたちと向き合い続けてきたそうです。
今回のインタビューが始まる少し前、協会の代表をつとめる盛山葉子さんがひょいとインタビューの現場に顔をのぞかせ、嬉しそうにこう話しかけてこられたのが印象的でした。
「すごく可愛い奥さまなんですけれど、その方はなんと高校時代からの彼女さんなんですよ。そのまま結婚されたの。ぜひ今日のインタビューにそのことも書いてください(笑)」
2019年4月より「ジェモセラピスト養成講座」を品川校でも開講するという平柳先生。
一時期は長野県で畑を借り(なんと70坪!)、週末になると農作業をするという活動を14年ほど続けてきたこともあるそうです。
治療家としての信念、自然に対する愛、そしてジェモセラピーに対する唯一無二の素晴らしさについて、想いを伺ってきました。
ジェモセラピーとの出会い
── ジェモセラピーとの出会い、キッカケは何だったのでしょう?
平柳:僕が自由が丘に来て「アルテミス」を開いてからもう12年が経つのですが、ちょうど今から3年ぐらい前になると思います。今でもよく話題に出すのですが、最初はジェモセラピー協会の盛山代表がふつうに、治療のために通ってくださっていたんですよ。
それから半年ぐらいが経ってからだと記憶しているのですが、「ところでお仕事は何をされているんですか?」と詳しくたずねると、「ジェモセラピーに関するお仕事をしている」というじゃないですか。
私は言ったんですよ。「ちょっと待ってください、それってうちにとってすごく必要なものなんじゃないですか?」って。そこから、一度そのジェモというのを見せてください、教えてくださいって私から声をかけたのが始まりです。
僕たちの仕事のことを知ってる上で、よく何も言わずにこんこんと治療にだけ通っていましたねって。早く言ってよねって感じじゃないですか(笑)
── 盛山代表のキャラクターが見えてくるエピソードですね(笑) ところで、なぜ整体や鍼灸治療に「ジェモセラピー」が必要だと感じられたのでしょうか?
平柳:整体や鍼灸のほかに、ホメオパシーという療法をうちでは扱っているんです。妻がそれを処方できる資格を持つ人間(ホメオパス)なんですが、非常にデリケートな自然療法でもあるので効いているかどうかがわかりづらいこともあるんです。
非常にナチュラルで意味があるものなんですけれども、もうちょっと体感しやすいもので何かないかなと考えていたときに出会ったのがジェモだったんですね。
ジェモセラピーの魅力について
── ジェモセラピーにはどのような魅力があったのでしょうか?
平柳:先に少しホメオパシーについて説明させていただくと、これは同種療法と呼ばれるもので、イメージとしては「毒をもって毒を制す」というような考えのもとに作られたものです。
徹底的に希釈をして薄めて、原子が見つからないぐらいまで薄めると、そのエネルギーや情報だけがある状態になり、実際に成分は入っていないのに「入ってきたよー」と身体が反応します。それを利用して治すのがホメオパシー。波動エネルギーを応用した治療です。
一方でジェモは、「樹木の新芽から抽出されたハーブエキス」を「飲む」という自然療法で、物理的な部分と、春の強い波動エネルギーの両方を取り込むのがジェモです。だからよりインパクトがあります。
ジェモを作った人もまた「ホメオパス」だったというのも僕たちにとってはひとつの魅力ですね。
参考:ジェモセラピーとは
── 患者さんにはどのようなタイミングで処方されるのでしょうか?
平柳:僕はこれまでずっと「健康」というものをずっと研究してきていますが、突き詰めて考えていくと、やっぱり家では薬をとらないでほしいという思いがあります。
これは、「絶対に」ではありません。でも極力取らないで過ごせるなら、それに越したことはないですね。
予防接種や検査入院なんかもそうなんですが、どうしても身体に負担がかかります。胃カメラにしても腸に内視鏡を入れるにしても。下剤や造影剤なんかもそうですよね。人によってはそれでガターンと体調を崩される方も事実いらっしゃいます。
なんとかして薬じゃない形で病気を乗り越える習慣を身につけられないかと考えるときに、ジェモセラピーは非常に良いんですよね。
「まずはジェモのレメディを摂ってみて。どうにもならなかったらそのときに病院に行ってみて」とお伝えすると、ジェモだけでそれを乗り越えられることもあるんです。
「薬やワクチンなしで、インフルエンザにかからなかったのは今年が初めて!」
とおっしゃってくださるような方が何人もいらっしゃいます。
でも、風邪ひとつを薬なしで乗り越えられない方も当然いらっしゃいますから、ちょっとずつステップアップしてもらえたらと思います。
「大丈夫だったね」「薬を飲まなくてもいけそうだね」、という経験を積み重ねると、だんだんとジェモがお守りみたいな作用をしてくれるようにもなるんですね。
※ 平柳先生はジェモの処方による体験談も豊富にお持ちです。詳しくは体験談やアンケートからご覧いただけます
治療家を志すようになった壮絶な過去
── 治療や健康への想いはどこから生まれているのでしょうか?
平柳:元々僕は元気いっぱいの子で、ほとんど家にいなくて外で遊んでいるような子ども時代でした。それが小学校5年のときに駐車場の屋根から落ちて、首のホネが折れているんじゃないかっていうような重症を負うんですよ。
結局、極端なムチ打ちで済んだんですけれど、手はしびれていて、背骨もちゃんと動かないという状態で。3週間ぐらい入院して退院するんですけれど、そこから体のいろんな異常が起きてきたんです。
小学校6年生の時には前へ習えがちゃんとできないんですよ。腕が痺れてる状態で。中学に入ると今度は部活の疲労が抜けないような状態で悪化して。中学3年生のときには胃潰瘍になるんですよ。便が真っ黒になることくらい、かなりレベルの高い胃潰瘍です。
ちょうどその頃に父を亡くしていたりして、体もそうでしたが、メンタルの面も色々と不安定だったと思います。
── その後、身体の具合はどのようになっていったのでしょうか?
平柳:あいかわらず調子が良くないまま、今度は18歳ぐらいからケガも増えるんです。覚えているだけでも、全身で10何ヶ所はこれまでに骨折してますね…。
指だけで3箇所、手首も折っていますし、肘も両方を折ってますよね。鎖骨も、上腕骨も折っていますし、肋骨なんか5~6本は折ってます。膝も折って、足の指も折って…。もう全身ですよ。
骨がもろいわけじゃなく、何というか、受け身がヘタなんですよね。
オートバイに乗ってたら車にぶつけられたり、自転車で転んだり。あるときは友だちと道を歩いていたら僕のところだけ道路が凍ってて、それでスッテーンって転ぶんです。
── 身体の調子やケガをきっかけに治療家の道をお選びになった?
平柳:そういう経緯で、たしかに身体を治すということには中学生ぐらいから興味をもつようにはなりました。ですが、決定的だったのは20代に入ってからのことです。
僕が母親をガンで亡くすんですね。すでに父親も亡くしていましたから、それが僕にとってはかなりのショックで。
そこからです、「健康」という方向に強く引き込まれていくようになったのは。母親は看護師でもありましたから、そういう影響もあるのだと思います。
自然とホメオパシーとの出会い
── 鍼灸や整体だけでなく、ホメオパシーやジェモセラピーなどの自然療法に興味を持つようになった経緯は何だったのでしょうか?
平柳:僕が29歳のときに「福井県」へ家族で引っ越すのですが、32歳で帰ってくることになります。その直後に「ホメオパシー」の考えにひかれ、勉強を始めようと思うようになりました。
ところが実際は妻が先に魅了されてしまったので、勉強や資格の面は妻に任せることにしました。それから3年間しっかり勉強して、元々の自宅サロンから今の自由が丘に移ることになります。
── 福井県での3年間で大きな変化があったようですが、何があったのでしょうか?
平柳:知り合いの方に「福井に来ないか?」と声をかけてもらったことがキッカケで引っ越しを決めたんですね。妻のお腹に最初の子がいた頃の話です。今年で娘は25歳になるのでずいぶんと前のことですね。
東京で生まれ育った僕にとっては、福井での暮らしはカルチャーショックそのものだったんですよ。単純に山があって川があって海があるみたいな。そういう当たり前なことを僕は経験していないわけで。
子どもと一緒にのんびり釣りをして、その釣ったお魚を食べたりとか。春になると山に入って山菜を取って食べたりもしました。しかも僕がそういうのを喜んでやるので、地元の方があちこちに連れていってくださるんです。
「都会の人ってこんなの好きなの?」ってよく聞かれたんですが、「いや、こんな最高の遊びはないよ!」っていつも返していました。
長女が生まれて、「命とは何か」ということを考える時期でもあったので、非常に意味のある福井での3年間でした。それからというもの、僕は薬を飲んだことがないんですよ。
子どもも薬は飲まず、注射もワクチンも打たず、そのまま大人になりましたね。
ずっと福井にいるものだと思っていましたが、実家の関係で長男の僕は戻ることになります。ただそこでの自然観が僕の人生に大きな影響を与え、それがホメオパシーやジェモセラピーへの理解や共感につながっています。
ジェモとエルビオリス社との思い出
── ジェモセラピーを学ぶ中で印象的だったことはございますか?
平柳:ジェモのレメディを作るときには「新芽」や「つぼみ」を使うのですが、それが福井県で自然から学んだことと非常にシンクロしましたね。
新芽やつぼみには「植物幹細胞」があり、「強い成長エネルギー」と「豊富な栄養素」が含まれている、とジェモセラピーの講座では教わります。
そのときに僕が思ったのは、「やっぱり! そりゃそうだよなー!」っていう強い共感でしたね。
春の山菜っていうのはまさに「芽」を食べるんですよね。「タケノコ」なんかがわかりやすいですけれど、ほかにも「タラの芽」だったり、「こごみ」だったり。
そこで面白いのが、春のものって食べすぎると「しっしん」が出たり「かゆみ」が出たりします。「お腹こわす」なんていうこともありますよね。
それがなぜ起きるのかというとエネルギーが強いからです。春のものはエネルギーが詰まっているんですよ。そういうのが僕にとっては当たり前になっていましたから、ジェモの勉強もやりやすかったですね。
── 2017年にはジェモのレメディを作っているフランスの「エルビオリス社」の方々とお会いしたそうですが。
平柳:いくつかの会社がジェモレメディを作っていますが、ヨーロッパの中でも特にオーガニックへの意識が高い会社が「エルビオリス社」なんです。なかなか下りない認可も取っています。
それだけでなく、彼らは「新芽」や「つぼみ」を採集する際に、「笑顔で摘む」とおっしゃるんですね。イライラしたりしながら採集すると、そのエネルギーが一本一本のレメディに反映されてしまうという考えからです。
以前からそれは講座の中で聞いていたことだったのですが、「本当に?」という気持ちもどこかにあったんですよね。
でも実際にお会いしたらすぐにわかりました。「ああ、この方たちは本当にそういう人たちなんだ…!」って。
平柳:プライベートの時間もご一緒させていただく中でわかったのは、ただただ、素朴に、自然を愛してる方たちだということです。
来日イベントの翌日に、どこかへ観光でご案内しようという話になったんです。そのときに最初は「植物園」などのアイデアもありました。
だけど僕は、「そんなのは喜ばないよ。それより、比叡山のロープウェイ近くに裏山があるからそこがいいよ」ってみんなに提案したんです。
そしたらもう、いっちばん嬉しそうな顔して。嬉々としてて。
それまで首からぶら下げているだけで1回もシャッターを押したところを見たことがなかったカメラを、いきなり地面に生えている植物に向けて「カシャ、カシャ」って。やっと、急にテンション上がったんですよ(笑)。
平柳:いっぱい写真を撮って、パッと顔をあげて僕のこと見た瞬間に「ここは最高だよ」って言うんですね。やっぱりなぁーって思いましたね。そういう方たちなんですよ。
この植物はフランスにはないんだけど日本ではどんな風に使うんだとか。ただの雑草です、何にも使われないですって言うと「もったいなーい」とか、そういう会話。
ロープウェイのところまで、100m かせいぜい200m ですよ。その距離に30分以上かかりましたから(笑)。
進まないんですよ。みて、ここにほら、 あの草があるよって。始まるんですよ。これはフランスにもあってこんなふうに使うんだとか。ず~~っと、植物の話をしているんですよ。
本当に好きなんだなぁーって。
僕も畑へ行ったりとか自然のことは大好きなんで、こうやって気の合う人のことは言葉が通じなくても、持っている価値観が非常に近いのがわかるんですよね。
平柳:ソウルメイトっていう表現がありますよね。生まれる前の前世からもう仲が良かったとか、一緒に仕事をしていたような関係性のことを。
そのときに思いましたよね。僕はもう54歳になりますが、50年も会わなかったのに急に会えるソウルメイトもいるんだなって。よく今まで会わずにいたなって。
僕と妻なんかはまちがいなくそうで、夫婦という形でわかりやすい形のソウルメイトでしたけれど、エルビオリス社の方々もまさにソウルメイトです。
だから、ジェモに関係するお仕事をしている方であれば、ぜひ彼ら・彼女らの、そういった空気に触れてほしいなって思います。何倍も好きになりますよ。
僕もおかげさまで、短い時間のコミュニケーションではありましたが、患者さんへのジェモの勧め方が大きく変わりましたから。
平柳:僕たちみたいな自然療法を扱うセラピストであれば絶対に経験があるはずなんです。
ダメかな…。この人、これじゃ治らないのかな。。効かないのかな。自然療法じゃ無理なのかなって、いろんな葛藤があるんです。良いものだからこそ効いてほしいんです。
でもエルビオリス社の方々に会ったら気持ちが変わるんです。「この人たちの作っているものなら間違いない!」
ちょっと引っ込み思案で処方に迷いが生まれているような方は、圧倒的に処方しやすくなりますよ。「とにかく飲んで」が言えるようになるんです。
もしそれで治らなかったら自分が選びまちがえてるからって。だから今度はこっちにしてって。それができるようになります。
本当に自然を愛し、ジェモを愛しているんですよね。だから僕はこのエルビオリス社のジェモセラピーっていうものに、さらに信頼をおけるようになりました。
今年の4月、今度は日本のみんなと一緒にフランスに行くんですよ。それが本当に楽しみで。
今日のこの記事が読まれることで、ひとりでも多く、少しでも多くの方に、ジェモの良さが伝わっていけば嬉しいですね。
平柳伸児(ひらやなぎ・のぼる)。植物療法士・整体師・鍼灸師。一般社団法人 GAJ日本ジェモセラピー協会認定「エラボリスト」、ジェモセラピーカレッジ品川校代表。(※)フランスのHerbiolys社の特別販売代理店。Natural heal 「アルテミス」代表。
2018年4月に品川校にて「ジェモセラピスト養成講座」を開始。
2019年3月フランス現地のジェモセラピー研修に参加し本場の薬学博士や植物療法士に直々に指導を受ける。
(※)フランスのHerbiolys社の製品は全ての工程で無農薬・有機栽培で育てられた植物を使用。フランス政府の厳しい基準をクリアしたABマークの認可を受けている。
お知らせ
2020年2月に、平柳伸児(ひらやなぎ・のぼる)先生が主催するジェモセラピー講座が開催されます。
- 日時: 2月4日(火) 10:30-~12:300
- 場所:アルテミス中延 中延駅徒歩5分
- 料金:2,000円
- 内容:「薬に頼らないジェモセラピーを活かした生き方」
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